生きものばんざい

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鳴く虫たち

クロマドツアーで私が楽しみにしていたのが、鳴く虫たちとの再会だ。

4年前初めてツアーに参加した時、主役であるクロマドボタルよりも
鳴く虫たちがたくさんいたことに大喜びしたものだ。


今回も以前と変わらずその姿を見せてくれたものもいれば、
環境が変わったためいる場所が変わってしまったもの、
数自体が少なくなっている感じがしたものなど、
種類によってその状況は様々な変化が生じていた。

20120828umaoi.jpg
まずはハヤシノウマオイ。
飛翔力もあり、林縁部を好むため以前と変わらずそこそこいた。

20120828kantan.jpg
カンタン。
以前この虫がいた一角は道路と施設が建ったため完全に消滅しており、
おまけに舗装道路沿いは乾燥化が激しくススキ群落に覆われて
カンタンが好むような環境は減ってしまった。
この日見つけたのはこの写真の1匹のみだった。
う~ん、1匹ということはないだろうから、もう少し探索が必要だろう。


20120829kayakiri.jpg
カヤキリ。
6cm強の大きなキリギリスの仲間で、大阪府のレッドデータによると
準絶滅危惧種に指定されてます。
もともと数はそんなにいなかったが、以前見られた場所では確認することができず
今回確認できたのは全部で4匹のみで、さらに減ったというのが実感。
ススキやカヤを好むのでもっといてもおかしくない気がするのだが、
何かが違うんだろうな…

記憶をたどると、夏休みに帰省していた親父の田舎で
この虫を採りまくっていた場所はもう少し湿っていたようなイメージがあって、
それこそ小学生だった私の身長より高いススキ?カヤ?原だった覚えがある。

20120829matumusi.jpg
マツムシ。
いるにはいたが、新しく造成された小山(丘?)みたいな一角に集中しており、
そこが下手にいじられようものなら激減する可能性があるのではないだろうか…
この虫も以前多くいた場所は完全に造成され、そこにはまったくいなかった。

この虫は草原が藪になってジメジメするといなくなるので、
計画的かつ定期的に人の手でその環境を維持する必要がある。
淀川の河川敷などで今も見られるのがいい例だろう。

そして今回唯一姿が確認ができなかったのが、こちら。

20120829kutuwamusi.jpg
クツワムシ(2008年同地で撮影)
池の向こうの斜面から鳴き声は聞こえたが、それもその一匹のみ。
以前何匹かいた場所には全くいなかった。
同じような環境を好むハヤシノウマオイがいるのだから、
パッと見ではいてもよさそうなんだけれど…

あと現地に向かう途中、車道沿いの森からも鳴き声は聞こえたが。


そのほか確認できた鳴く虫たちはキリギリス、エンマコオロギ、セスジツユムシ、
ツヅレサセコオロギあたりだった。

フクロウは遠くからその声はしたが、
以前は必ずいたシカの気配は全くなかった。
う~ん、シカがいなかったのはたまたまだろうか…
すぐ近くにある山を切り開いて新しくできた住宅街の方にはしょっちゅう出るらしいが。


一見すると緑濃く自然が豊かに見える場所だが、
少し注意深く見るとその変化が感じられた観察会でした。


それを教えてくれたのがクロマドボタルであり、鳴く虫たちなのです。



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